「1円で買える株なんて本当に存在するの?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、1円で購入可能な株式の実態や、その投資メリット、リスクについて詳しく解説します。低価格株は少額から始められる投資として注目されていますが、その反面、高リスクであることも忘れてはいけません。
また、20円以下で買える銘柄についても具体的に紹介し、初心者から経験者まで役立つ情報を提供します。投資の選択肢を広げるために、低価格株の魅力と注意点を理解し、賢い投資家へとステップアップしましょう。
1円で買える株は理論上は存在する
理論上、株価が1円の株式は確かに存在し得ます。株価は複雑な要因の相互作用によって決定され、極端な状況下では1円にまで下落する可能性があります。しかし、実際の市場では1円での取引は極めて稀で、ほとんど見られません。
株価が1円まで下落する主な要因としては以下の通りです。
- 深刻な財務危機
- 倒産の危険性
- 業界全体の衰退
- 大規模な不祥事や法的問題
- 市場の極端な悲観
などが挙げられます。
このような状況下にある企業の株式は、投資家にとって非常にハイリスクな選択肢。また、1円株への投資は、以下のリスクを伴う可能性があります。
- 完全な投資損失の可能性
- 上場廃止による流動性の喪失
- 価格操作の対象となるリスク
- 企業再生の不確実性
一方で、一部の投資家は極端に安価な株式に投機的な魅力を感じることがあります。
しかし、短期的な価格が変動することを予想したうえで行う投機は、高度なリスク管理と市場分析スキルを必要とし、一般投資家にはおすすめできません。僕みたいな個人投資家ならなおさらです。
結論として、1円株は理論上存在し得るものの、実際の投資対象としては極めて稀で、大きなリスクを伴います。
投資家は自身のリスク許容度と投資目的を慎重に考慮し、自分の目的に合った投資判断を行うことが重要ですね。
実際に1円で株を購入するのは困難
実際に1円で株を購入することは、ほぼ不可能と言えるほど困難です。この背景には、日本の株式市場における規制や取引の仕組みがあります。
まず、日本の証券取引所では、株価が極端に低下した場合、上場廃止となる基準が設けられています。
そのため、1円まで株価が下落する前に、ほとんどの場合、上場廃止処分を受けることになるでしょう。
仮に1円台の株式が存在したとしても、そのような企業は深刻な財務問題や経営危機に直面している可能性が極めて高いです。
例えば、2008年のリーマンショック時に、アメリカの大手金融機関リーマン・ブラザーズの株価が1ドルを割り込んだ後、まもなく破綻。2008年11月21日に最安値0.12ドルを記録しました。
1円で株を購入することは理論上は可能でも、実際にはほぼ不可能であり、仮に可能だとしても極めて高いリスクを伴います。
投資家は、企業の財務状況、業界動向、市場環境などを綿密に分析し、自身のリスク許容度に応じて慎重に投資判断を行う必要があります。例えば、財務諸表の分析、業界ニュースのチェック、アナリストレポートの参照など、多角的な情報収集と分析が重要です。
結論として、1円での株式購入を目指すよりも、適切な価格帯の健全な企業への投資や、分散投資によるリスク管理など、より現実的で安全な投資戦略を考えるのが大切です。
20円以下(低価格)で買える株式一覧
低価格で買える株式は、一般的に「低位株」と呼ばれ、市場での価格が比較的低い水準にある株式を指します。
例えば、以下に20円で購入できる株式をまとめました(2024年11月30日時点)。
銘柄 | 株価 |
---|---|
(株)ランド | 9円 |
KOZOホールディングス(株) | 19円 |
(株)ジャパンディスプレイ | 20円 |
低価格株は、わずか数百円から数千円で購入可能であるため、資金が限られた個人投資家にも手が出しやすいという利点があります。
ただし、安易に株価が安いからという理由で投資をするのではなく、業績や成長性などを考慮したうえで購入するのがおすすめです。
急成長した低位株
近年、日本の株式市場において、一部の低位株が驚異的な成長を遂げ、投資家の注目を集めています。その代表例として、創薬ベンチャーのキャンバスとゲーム開発会社のガーラが挙げられます。
キャンバスは、2022年5月に200円未満だった株価が、2023年1月ごろには1878円の高値を記録しました。新薬開発への期待感が、この急激な株価上昇の原動力となったのでしょう。
一方、ガーラも目覚ましい成長を遂げました。長期間200円近辺で推移していた株価が、2022年5月下旬から急上昇し、3週間あまりで4.6倍に跳ね上がりました。
6月11日には926円の高値をつけ、約6年8ヵ月ぶりの水準に到達しました。
低位株投資の潜在的な可能性を示すと同時に、市場の予測困難性と投資リスクの高さも浮き彫りにしています。
ただし、慎重な分析と適切なリスク管理の重要性を忘れてはいけません。
1円で買える株(低価格株)への投資リスク
1円で買える株、いわゆる低価格株への投資には、高いリターンの可能性がある反面、重大なリスクが伴います。以下に主要なリスクをまとめました。
- 倒産や上場廃止のリスクが高い
- 価格変動が大きい
- 流動性が低い
これらのリスクを十分に理解し、慎重に投資判断を行うことが重要です。
倒産や上場廃止のリスクが高い
低価格株に投資する最大のリスクの一つは、企業の倒産や上場廃止の可能性が高いこと。
株価が極端に低いということは、多くの場合、企業が深刻な財務問題や経営問題を抱えている可能性を示しています。
倒産リスクのある企業に投資することは、全額を失う可能性を含んでおり、投資家にとっては非常に危険です。
さらに、上場廃止になった場合、売りたいときに簡単に売れなくなります。
このため、低価格の株を選ぶ際は、その企業の財務健全性や市場での評判、業界の動向をしっかりとチェックし、リスクに対する備えを怠らないことが重要です。
価格変動が大きい
低価格株は価格が低いがゆえに、少しの市場の変動や投資家の感情によって株価が大きく動くことがあります。
たとえば、企業の業績発表や市場のニュース、あるいは経済全般の動向がダイレクトに影響します。以下のように同じ100円の上昇率でも、価格変動が大きく異なるのです。
- 100円の株が100円上昇:100%の上昇
- 5000円の株が100円上昇:2%の上昇
このため、低位株はちょっとした材料で株価が2倍になることもあります。
低価格株に関する投資は非常に投機的であり、短期間での大きな損失や利益が発生し得ます。
特に、日々の取引で高回転を狙うデイトレーダーなどにとっては魅力的ですが、一般投資家にとってはそのリスクを理解し、慎重に利用することが求められます。
十分な情報収集と冷静な判断力が不可欠です。
流動性が低い
低価格株の流動性が低いというのは大きな投資リスクの一つです。
流動性が低いとは、株式の売買が活発でないため、希望するタイミングで売買が成立しにくいことを意味します。
これは、買いたい人と売りたい人の数が限られており、取引が滞ることが原因です。
特に何らかのニュースやイベントが発生した際には、急に取引が集中し、価格が急騰または急落することがあります。
このような流動性リスクは、株価の予測を難しくし、投資家にとって大きな圧力となります。
そのため、投資を検討する際には、取引量や市場での人気度を確認し、必要に応じて流動性の高い他の投資先を考慮することが賢明です。
1円で買える株(低価格株)への投資メリット
1円で買える株、または低価格株への投資には、一般的な株式投資とは異なる独自のメリットがあります。
これらの株式は、高額な株式と比べて参入障壁が低く、初心者投資家にも取り組みやすい特徴を持っています。以下に低価格株投資の主要なメリットをまとめました。
- 小額から投資ができる
- リスク分散がしやすい
- 大きなリターンを得られる可能性がある
少額から投資ができる
低価格株の最も大きな魅力は、少額の資金から投資を始められることです。
通常の株式投資では、1単元(100株)単位での購入が一般的なので、数十万以上のまとまった資金が必要になります。一方で、低価格株であれば、初心者や学生など資金に制限がある投資家でも参加しやすいのが特徴です。
例えば、1株100円の株式であれば、わずか1万円で100株を購入することができます。これにより、投資の敷居を低くし、より多くの人々が株式市場に参加できるでしょう。
また、少額から始められることで、投資の学習や経験を積むための良い入口となり、将来的により大きな投資へのステップアップにもつながります。
リスク分散がしやすい
低価格株への投資は、効果的なリスク分散戦略を実行しやすいです。
同じ投資金額でも、低価格株を選ぶことで複数の銘柄に分散投資することが可能になります。例えば、10万円の投資資金があれば、1株1,000円の株式を10銘柄購入できますよね。
これにより、特定の銘柄や業界に集中することなく、幅広いポートフォリオを構築することができます。リスク分散は投資の基本原則の一つであり、市場の変動や特定の企業の業績悪化によるリスクを回避しやすいです。
また、異なる業種や成長段階の企業に投資することで、市場全体の動きに左右されにくい安定した運用が期待できます。
大きなリターンを得られる可能性がある
低価格株への投資は、大きなリターンを得られる可能性があるという点で魅力的です。
株価が低い企業の中には、再建中の企業や成長途上のスタートアップ企業など、将来的に大きな成長が期待できる企業が含まれていることがあります。
これらの企業が成功を収めた場合、株価が急騰し、短期間で高いリターンを得られる可能性があります。例えば、1株100円の株式が1年後に1,000円になれば、投資額の10倍のリターンを得ることが可能です。
ただし、このようなハイリターンはハイリスクを伴うことを忘れてはいけません。慎重な銘柄選択と適切なリスク管理が重要です。
【初心者にも安心】低価格で株を買う方法
低価格で株を買うことは、初心者投資家にとって魅力的な選択肢です。
少額から始められるため、投資の敷居が低く、リスクも抑えられます。ここでは、初心者でも安心して低価格で株を購入できる方法をいくつか紹介します。
- 単元未満株取引をする
- 米国株取引をする
単元未満株取引をする
単元未満株取引は、低価格で株を買う効果的な方法の一つです。通常、株式は100株単位(1単元)で取引されますが、単元未満株取引では1株から購入することができます。ちなみに、僕もSBI証券で単元未満株取引を行なっています。
これにより、高額な株式でも少額から投資を始めることが可能。例えば、三菱商事を1単元(100株)購入しようとすると、約25万円ほど資金が必要になります(2024年11月30日現在)。
しかし、単元未満株取引を使えば、1株約2,500円で購入できます。意味のない飲み会に行くよりずっといいと思います。
多くの証券会社がこのサービスを提供しており、オンラインで簡単に取引できます。ただし、単元未満株は売買の際に手数料がかかることがあるため、長期保有を前提とした投資戦略に適しています。
米国株取引をする
米国市場は、1株単位での取引が一般的です。
AmazonやGoogleの株でも、1株から購入できるため、初心者にも参入しやすいですよね。僕も日本株だけではなく米国株をやっています。楽天証券を使って、1株からコツコツ買っている企業も多いです。
さらに、米国市場は流動性が高く、多様な業種の企業が上場しているため、幅広い選択肢の中から自分に合った銘柄を見つけられます。
近年は、日本の多くの証券会社が米国株取引サービスを提供しており、円建てで簡単に購入できるようになっています。ただし、為替リスクや海外市場特有のリスクにも注意が必要です。
優良企業の株もコーヒー代で買える
株の購入といえば、昔は1単元(100株)から購入しかできずまとまった資金が必要でした。初心者にとってみれば数十万円は大金です。しかも、減る可能性もあるため、参入障壁がありました。
しかし、今はコンビニのコーヒー代で1株が買える時代です。最悪投資が失敗したとしても、失う金額はコーヒー代と考えれば、挑戦しやすいのではないでしょうか。
投資初心者に優しい設計になっている一方で、自分の身は自分で守りましょう、というメッセージを受け入れる覚悟が必要になってきました。
貯金だけではお金を増やすことは不可能なので、投資を通じて、自分の資本を少しずつ膨らましていけるといいと思います。僕もコツコツ頑張ります。
1円で買える株に興味がある方からのよくある質問
最後に1円で買える株に興味がある方からのよくある質問をまとめました。
- 低価格株で利益を上げるための戦略ってある?
- 低価格株と他の株式の違いは何?
低価格株で利益を上げるための戦略ってある?
低価格株で利益を上げるための戦略はいくつかあります。
宝探し戦略
会社の健康状態(財務状況)がよく、将来性のある企業を探します。例えば、一時的な問題で株価が下がっている会社や、まだあまり知られていないけれど素晴らしい商品やサービスを持つ会社を見つけるのです。
たまごを複数のかごに入れる戦略
一つの会社だけでなく、複数の低価格株に投資します。これは、もしある会社の株価が下がっても、他の会社の株価が上がることで、全体としての損失を減らせる可能性があるからです。
気長に待つ戦略
株価の日々の変動に一喜一憂せず、会社の成長とともに株価が上がるのを待ちます。例えば、今は小さな会社でも、5年後には大きく成長しているかもしれません。
ただし、どの戦略を選んでも、しっかり調べることと慎重に行動することが大切です。低価格株は高いリスクを伴うので、投資する前によく考えましょう。
低価格株と他の株式の違いは何?
低価格株と他の株式の主な違いは、価格水準と関連するリスク、そして市場での取り扱いにあります。
低価格株は一般に株価が低く、小規模または財務的に不安定な企業の株であることが多いです。そのため、高価格の株式と比べてリスクが高く、価格変動も大きい傾向にあります。
また、低価格株は流動性が低いことが多く、大量の売買が難しい場合があります。一方、高価格の株式は通常、大企業や安定した企業のものが多く、相対的にリスクが低く、流動性も高いです。
また、低価格株は投機的な取引の対象になりやすく、市場での規制も異なる場合があります。投資家は、これらの違いを理解した上で、自身の投資目的とリスク許容度に合わせて選択する必要があります。
まとめ
1円で買える株、いわゆる低価格株への投資は、リスクと機会の両面を持ち合わせています。少額から始められ、大きなリターンの可能性がある一方で、倒産リスクや価格変動の大きさなど、注意すべき点も多くあります。
初心者投資家にとっては、単元未満株取引や米国株取引、分割株購入サービスなどを利用することで、より安全に低価格での株式投資を始めることができます。
ただし、どのような投資であっても、十分な調査と慎重なリスク管理が不可欠。低価格株投資を成功させるためには、企業分析、分散投資、長期的視点などの戦略を組み合わせることが重要です。
最終的には、各投資家が自身の財務状況とリスク許容度を考慮し、適切な投資判断を行うことが求められます。